『たった1人の引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く』石村 博子
どうしてでしょう?
なぜか清々しい気分なのは私だけでしょうか?
これは戦後の混乱期に、満州から日本への約1000kmの道のりを、たった一人で旅した少年の実話です。
士族の血を引く父親と、コサック騎兵隊の子孫である母親を持つハーフの少年が、
10歳のときに満州で終戦を向かえるところから物語は始まります。
「強くなってもえらくない。人のために泣いたり笑ったりできる人間こそえらいんだ。」
コサックの母の言葉。
侵攻してきたソ連兵の略奪や、日本人に恨みを持つ中国人民の襲撃により、
途中で命を落とした日本人は少なくありませんでした。
彼も数々の場面を目撃しています。
しかし、
この言葉のおかげでたくさんの局面を乗り越えることができたのでは無いかと思います。
彼は、はやがて大人になり格闘技で世界的に活躍する事となります。
ビクトル古賀という名前で、、、。
ノンフィクションの作品は多々ありますが、
ここまで心揺さぶられたのは久しぶりです。
そして、戦後の暗い雰囲気を醸し出しているのになぜか清々しい気分にさせてくれる。
そんな1冊となっています。
ぜひご一読ください。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。