『麻雀放浪記(一)青春編』阿佐田哲也
終戦直後、焼け野原の上野のドヤ街で「ドサ健」と出会い、一気に博打にのめりこんだ主人公の「坊や哲」。
チンチロリンや麻雀の技、いかさまの腕を磨いた哲が「出目徳」や「女衒の達」「上州虎」ら仕事師と渡り合い、生き残りをかけて激闘する。
博打に生きる男たちの戦いを描くピカレスクロマンの最高傑作!
「どんな遊び人も、あるいはアンダーグラウンドに生きている人間も、ほとんどがこの本だけは読んでいるのである。あらゆる小説の中でも、これほどまでに様々な層、人種の「男」に読まれたものはないだろう」(先崎学 解説)
知り合いからの紹介がこの本を知ったキッカケでしたが、
今では、その知り合いよりもハマってしまったかもしれません。笑
でも、それだけ本当に面白いんです!
私は麻雀をやったこともありませんでしたから
そのルールも全く知りませんでした。
実際に、この小説を読んだ後でも
詳しくなれたかと言われれば
そうではありません。
しかしこの本を読んだことで
以前よりも生きることを真剣に考えるようになりました。
職にはついていないものの
その生き様、言葉が胸に刺さります。
「手前っちは、家つき食つき保険つきの一生を人生だと思っていやがるんだろうが、その保険のおかげで、この世が手前のものか他人のものか、この女が自分の女か他人の女か、すべてはっきりしなくなってるんだ。手前等にできることは長生きだけだ。糞ォたれて我慢して生きてくんだ。ざまァみやがれ、この生まれぞこない野郎」
「ケチな客のお守りして細く長く稼ごうなんてやめちまえよ。世間の人間は、暮らしていくことで勲章をもらうが、俺たちはどれだけすばらしい博打を打ったかできまるんだ」
「死んだ奴が負けだ。決着はそれしかねえんだ」
今でも、仕事に気持ちが入らない時や
調子がイマイチのときには
この本の言葉を思い出して自分を奮起させています。
読んで「無駄な時間を過ごした」
ということは絶対にない1冊なので
ぜひ読んでみてください!
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