【黒い雨】
本書は、
第二次世界大戦中、
日本の広島に爆弾が落とされ、
爆風とともに、
多大な死者が出ていた中、
幸福にもたまたま実家の広島から離れていた、
矢須子とその家族。
そんな中、第二次世界大戦が終わり、
平和に思えた日本だったが、
ある日原爆が落とされた広島に、
身体に触れただけで被爆をし、
急性放射線障害により死に至らしめる
「黒い雨」
が降り始めた。
そんな広島で
婚期を迎えた彼女だが、
縁談が持ち上がるたびに被爆者であるという噂が立ち、
縁遠いままなのである矢須子。
そんな折、
矢須子にまたとない良い縁談が持ち上がる。
この話をぜひともまとめたい重松は、矢須子に厳重な健康診断を受けさせた上、
自身の日記を取り出して清書しようとする。
矢須子が原爆炸裂時、広島市内とは別の場所にいた=被爆者ではないことを証明するためだった。
しかし、その日記の中には
矢須子が黒い雨に打たれていたことが書いてあった。
つまり矢須子は被爆していたということだったのだ・・・。
この小説は、
1966年に第19回野間文芸賞を受賞したのち、
1987年に映画化された作品です。
本書を読むことで、
広島に原爆が落とされた時の日本の姿や、
「黒い雨」
によってどのような症状を引き起こし、
亡くなっていくのかなど、
戦争がどれだけ人を苦しめる存在なのかを学べる
小説となっておりますので、
ぜひ一読を。
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